第19章

田中尚哉は、案の定――去った。

大島莉理はひとり気楽に資料を読み漁り、そのまま机に突っ伏して眠ってしまった。

翌日。会社に出るなり、彼女は真っ先にオフィスにいる加藤淳史を探した。ところが扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは――加藤淳史と副部長が抱き合ってキスをしている光景だった。

腕を絡め、唇を貪り合う。周りなど何も見えていない。

大島莉理に邪魔された形になっても、加藤淳史は怯みもしない。不機嫌そうに眉をひそめ、吐き捨てた。

「何だよ。入るならノックくらいしろよ。躾けられてねぇのか?」

「あなたには敵わないわ。オフィスにベッドでも置いてるのかと思った」

加藤淳史は苛立ったよう...

ログインして続きを読む